今回は「グルテン」についてお伝えさせていただきます!
パンやうどんを作るとき、小麦粉に水を加えて練っていくと、強い粘り気が出ます。
この粘り気を作っているのが、グルテンというたんぱく質です。
パンの弾力、うどんのコシはこのグルテンの働きです。
その他、アイスクリームやルー、ソースなど形を保つ食品に加え、ヘアコンディショナーや整髪料、マスカラなど日用品にも多く用いられています。
グルテンとは、「膠(にわか)」を意味するラテン語でグリアジンとグルテニンという2つのたんぱく質から構成されています。
食品や日用品に多く用いられるため、なくてはならない存在ですが、身体の問題を引き起こす可能性があると示唆されています。
実は現代の小麦は古代の西洋人が食べていたものとは大きく違っています。
品種改良を重ねて、よりフワフワした食感を引き出せるように昔の小麦より多くのグルテン(グリアジンとグルテニン)を含んでいます。
つまり、現代の小麦は本来の形のものでなくなっており、もともともっている人の消化酵素では消化しにくいもの(未消化物)へと変化し、腸内環境の悪化のリスクがあります。
この未消化物は異物とみなされ、それを攻撃する抗体が出来る場合もあり、このことが小麦アレルギーを起こす原因になります。
さらに小麦に対する抗体は我々の臓器に対する抗体と化してしまうことがあります。
・何種類かの神経細胞
・肝臓、脳、副腎皮質でできる酵素
・甲状腺、卵巣、精巣、膵臓、胃、心臓、骨
これらの臓器が攻撃対象とされています。
こうしたグルテンに対する抗体ができることにより様々な疾患リスクが懸念されており、それが「セリアック病」という疾患です。
疲労感をはじめ、下痢、関節痛、発達障害、精神疾患、てんかんなどを引き起こす疾患です。
その他、以下の疾患はグルテンと関連があると考えられています。
・腸の問題(過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎)
・神経系の異常(自律神経失調症、頭痛、パーキンソン病、多発性硬化症)
・精神疾患(うつ、躁うつ病、統合失調症、不安障害、自閉症、多動症、認知症)
・自己免疫疾患(関節リウマチ、橋本病、バセドウ病、全身性エリテマトーデス、サルコイドーシス)
・皮膚疾患(アトピー性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、乾癬)
・慢性疾患(自律神経失調症、線維筋痛症、慢性疲労症候群)
・生活習慣病(糖尿病、肥満)
そこで注目を集めているのがグルテンフリー食で、以下の食品や食材が挙げられます。
・果物
・野菜
・肉
・魚介類
・豆類
・十割そば
・とうもろこし
・じゃがいも
・米
・タピオカ
・サトウキビ
・グルテンフリーオーツ麦
グルテンを全く摂取しない食生活も偏りが生じます。
そこで上記の食品・食材リストを食事に取り入れることで、グルテンの過剰摂取リスクが低下し、健康的な生活が送れることでしょう。
参考:
内山葉子「パンと牛乳は今すぐやめなさい!」株式会社マキノ出版 2017年 41~48ページ
Celiac Disease FOUNDATION®